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こうして苦労の末ロボットができた。
ふたりはバンザイして喜んだ。
なにしろふたりは、このロボットを売って
お金持ちになる寸法だったから。
出来たロボットは人間に似ていて、精巧緻密にできていた。
動力源は過去を濾過して液体化された“罪悪感”。
完璧な奴隷ロボットができた瞬間だった。
反面、繊細なだけにいつ壊れるかわからない。
そのため眼だけは離せないものの、
農業に介護、いろんな場面で奴隷ロボットは大活躍。
おかげでふたりは大金持ちになった。
念願叶って大金持ちになるとふたり、
今度はめちゃくちゃ退屈になった。
「退屈ですね。ロボットができてからというもの、
これまでの過去もとっくに水に溶かして解放済み。
いまや大金持ちの私たち、忘れたい失敗、
過去の過ちなんてありませんもんね。
それにしても退屈だ。新しいともだちでも欲しいです」
「それだ!」と博士は叫んだ。
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