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「ロボットたちは人間以上に精巧緻密なしかけで動いているでしょ?
彼らがもし失敗でもしたらと思うと怖いんです。
しかも人じゃないぶん、過去を水で流せないでしょう。
そう思うと不安で不安で……」
「これまでの“彼ら”はたしかにそうだった。壊れやすいぶん、
それがセーフティネットとして機能していたも事実だ。
だが今回我々の作った“彼”はちがう。
完璧だ。壊れない、いや、我々にはもう壊せない。
しかもだ、やろうと思えば人類を
滅亡させるだけの力すら持たせてある。あっはっは。
なに、それはやりすぎだって?調子に乗りすぎ?
大丈夫、今度作った彼は友好的だ、
人間の良い思い出だけを動力源にしている。
まさに完璧。そんなロボットの彼が失敗なんてするものかね。
失敗するとしたら私だよ」
空から一本ネジが落ちてきた。
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