第7章 ヒガンバナ(5)

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第7章 ヒガンバナ(5)

**************  三日後。自分のアパートに帰ることにした私は最後に良介に挨拶することにした。仏壇の鐘をチーンと鳴らして目を閉じて手を合わせる。しばらくそうした後、目を開けて立ち上がった。 「じゃあね、良介。行ってくる。また今度ね」  そう言って私は荷物を持って玄関に向かった。仏壇に飾ってある真っ赤なヒガンバナが風に吹かれて少しだけ揺れた。まるで私に向かって手を振ったかのように。                      ―― to be continued
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