第8章 ススキ・ヨモギ(4)

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************** (めちゃくちゃ酔ってるな)  紫に抱き着いている香織を見て緑川はそう思った。 「何、香織ちゃんめちゃくちゃ酔ってんじゃん。面白」  緑川が思ったのと同じことを言いながら隣に日下が座り込んできた。 「そうだな。花崎さん、日本酒は初めてだと言ってたし、おいしかったのか、結構ぐいぐい飲んでたからな」 「明日大変そうだな~香織ちゃん。そういや立木さんは?」 「トイレにでも行ったんじゃね?さっき中に入ってった」 「ふーん」  日下にそう言って緑川が視線を前に向けると香織が紫に後ろから抱きつきながらほおずりしていた。 「お~百合だ~お前もこういうの好きだろ?樹」 「………ノーコメント」 「はっきり言えよ~好きだろ?こういうの」  そう言って日下は緑川の肩をつかんだ。 「おわっ!酒こぼれる!さてはお前も結構酔ってるな?」 「俺普段こんなもんだろ?もっと飲もうぜ」 「俺はセーブしてんだよ!放せ!」  満月の晩。そろそろ日付が変わろうかという時間帯にFleurでは男同士、女同士べたべた絡むのであった。
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