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「もしかして、プレゼントを渡すとか俺ゆってたけ?」
数年前にデートをしていて、酔ったついでにそんな事を話した記憶もある。恐ろしい。あれは付き合い始めの頃で、彼女の事が愛らしくて仕方がない頃だった。
「デートに居酒屋なんて風情がないなー」
「そっちが酒好きだからだろ?」
居酒屋ですっかり酔っぱらっての帰り道。僕たちはわざと家までの道を遠回りして話をしていた。
「今日は君も酔ってるな」
普段から酒の強い彼女と弱い僕。けれど、この日は僕も存分に酔っていた。
「そりゃあ、君といると楽しくて。お酒も美味しくなっちゃうんだよ」
「これは、バカップルだねー」
楽しい笑い声。そんなものを続けたいと僕は願っていた。
「そう言う貴方も結構酔ってらっしゃるんじゃないかな」
「そーだね。私も楽しかったから」
酔って赤くなっている頬でニコッと笑うその姿が愛らしくて仕方がない。そんな時に僕は彼女を抱きしめていた。
「もう、君が望むならなんでもするよ。毎日でもプレゼントを買う!」
僕たちはそんな状況になっても笑いを忘れない。楽しいのは好き。そして僕は彼女の笑顔が見たいから。
「バカ言うんじゃない。そんな勿体ないことはしなくて良いから」
「なんかそんな気分なんだから」
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