14人が本棚に入れています
本棚に追加
あれから、光都くんは大学生が終わると家に寄ってから
自宅に帰るという生活を送っていた。
「聡太さん!聡太さん!こんなところで寝るなよ。」
俺はどうやら、床で寝ていたみたいだ。
「うぅーーん。。もうちょっと、、」
無理だ、、。瞼が全然開かない。ここ最近は仕事も忙しくて寝不足の日々だった。せっかく光都くんが来てくれても俺は職場で仕事。
毎日毎日、お疲れ様。今日も遅くまで仕事、頑張れよな。無理すんなよ。飯作っとくから食えよ。
と送られてくるメッセージに励まされながらなんとか乗り切った。そして、家につくなり、床で寝てしまったみたいだ。
「まあ、聡太さん、頑張ったんだもな。お疲れ様。
次は俺のこと構ってくれよな、、。」
俺の頭をなで、ブランケットをかけながら
ぼそっと呟いた。
「も、もう、、!何いってんのさ!!
あー、恥ずかしい、光都くんってそんなこと言うキャラだったの!?」
「っっは!?お、起きてたのかよ!!寝ろっ!
もっかい寝て忘れろ!!」
ぷっ、、。焦ってる。
いいなぁ、こんな表情で拗ねるんだなぁ。
小さい頃から見てきたけど、やっぱりどこか違う表情にみえた。
告白されてから、光都くんのことを一人の男として見てみようと思って、なんとか意識して観察をしてみた。
俺を起こすときの顔、ご飯を作るときの顔、おかえりって迎える時の顔、ちょっと意地悪な顔、そして拗ねる顔。
今までは、かわいい子供だったのが
意識するだけでちゃんと大学生で大人に見えてくる。
だって、その表情の全てに俺への好きって気持ちが現れているから。
それに、俺が気付いてしまったから仕方ない。
俺は、些細な表情の変化でさえもっとみたい!知りたい。好きになりたいなって思うんだ。
「もう、ぐっすり寝たからもう元気だよ。残念ながら、もう眠くありませーん!それより、久しぶりにちゃんと会えたね光都くん。」
すると、ちょっと頬を染めて耳もほのかに色づいた光都くんはが俯いて、言った。
「なぁ、会いたいって思ってくれた?
俺は、聡太さんが帰ってこなくて心配だったし、すごく会いたかった。」
「っっ、、。う、うん。なんか、俺のことそんなに好きなんだね、、。」
すると、ぷっと吹き出した光都くんに
俺はなんで笑ってるのか分からなかった。
「え、えっと、、。なんで光都くんは笑ってるの?」
すると光都くんは俺を腕の中に閉じ込めて
「だってさ、俺のこと好きなんだね、、ってしみじみした雰囲気で言われるし、なんで今の場面でそこ再確認すんだよ」
うーん。光都くんのツボはよく分からないけど
なぜか嬉しそうに笑う光都くんに、俺は胸が高鳴った。
だけど、まだまだ光都くんのアプローチは序の口だったんだと思い知るのだ。
最初のコメントを投稿しよう!