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安堵
光都くんのいない部屋が寂しいのだと気づいてから
三週間がたった。
テストは一週間と少しで終わったようだが、バイトやサークルで忙しくしていたようだった。
光都くんは、この家に帰ってきてくれるのだろうか。
ここを居場所だと思ってくれているのだろうか。
いつも会っていた人と離れることが、こんなにも心をざわつかせるなんて思いもしなかった。
いや、、。篤人の時に、痛いほど感じていたざわつきだったはずだ。だけど、その時と今では圧倒的に違う焦りがあった。
なんでかって??
篤人のときは、態度から全てを諦めていたから。
光都くんは違う、、。なんとも言えないときめきと、できれば諦めてほしくないという我儘な感情が芽生えているから。
光都くん、、会いたい、、なぁ。
そんなことを考えながら、会社からの帰り道を通る。ふと、自宅の電気がついていることに気がついた。
パタパタ、、どんどん歩くスピードが上がる。
気持ちも一気に盛り上がり、バクバクしている心臓。
もしかして、、、、??という甘い期待が胸に、たしかにあった。それに気づいてしまった。
ガチャ
「っっはぁ、、。た、ただいま!!!」
「あっ!おかえりなさーい!聡太さん!!今日もお疲れ様!」日もお疲れ様!」
パタンと、玄関で座り込んでしまった。
「え、え!!どうしたの!聡太さん、めっちゃ忙しかったとか??」
オロオロとする光都くんをみながら、
あぁ、彼は帰ってきてくれたんだと思い
笑みがこぼれてしまう。
「ううん。大丈夫。光都くんが久しぶりに家にいるから嬉しくて、、。」
つい、光都くんのようにストレートに伝えたくなったんだ。
ハッと息を飲む音がして、まっすぐと顔を見つめると真っ赤な顔と幸せそうな顔が見えた。
あぁ、光都くんは本当に俺なんかを好きでいてくれるんだなと納得し胸があったかくなった。
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