桜の木の下でもう一度

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 翼が日本を旅立つ日。凛も翼の元に来ていた。この日は桜が満開に咲いていた。 「凛、来てくれてありがとな。次会うときは、お互いの夢が叶った後だな」 「うん、そうだね」 凛は拳を握り締め、翼をまっすぐに見つめながら言った。 「ねぇ、翼?」 「どうしたの?」 「あのさ、私たち、結婚しない…?」 翼は目を見開いた後、ゆっくりと話し出した。 「不安にさせてるよね。でも、ごめん、今はその言葉を受け取れない」 「…。だよね。ごめん!冗談だよ!結婚なんて私としたいわけ…」 「俺に、言わせてくれないか?」 「え?」 「俺たちが結婚するにはまだ早すぎる。俺たちは夢を叶えるって誓っただろ?だから、五年後の今日。俺は必ず日本に戻ってくる。そしたら、あの日みたいに、あの桜の木の下でもう一度プロポーズさせてくれないか?」 「え、本当に?」 「あぁ、約束だ」 「嬉しい」 いつもみたいに思いきり笑う凛の目には、温かい涙が浮かんでいた。  
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