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は? 意味わかんねえ。
偽善者? 俺が? そんなわけないだろ。言葉の使い方、間違ってない?
いくら考えても頭を捻るだけで意味が全くわからなかったので、未読のまま放置した。
家に夜遅く帰る途中、電話が鳴った。母さんからだった。電話に出たものの母さんは何も話すことができないようで息を荒く吐いていた。
「どうした? 母さん」
電話口には母さんがいるはずだった。息遣いが聞こえなくなり、「弘樹か」と声がする。電話が父さんに変わったんだ。「すぐに急いで家に帰ってこい」その声は昂る感情を押し殺しているように聞こえた。「どうした?」聞いても何も答えてくれなかった。
家に帰ってから、泣き叫ぶ母さんとそれを支える父さんに告げられた。朱莉が、橋の上から飛び降りて冬の冷たい川の中で自殺を図ったと。目撃者もいて事件性はないことが確かであることとも。その時間は夜八時五分だということも……俺への最後のメールがきてたったの一分後のことだった。
それからのことはしばらく何も覚えていない。何も考えられなくなってしまった。
ただ一つ分かったこと。
俺はとんでもなく大変なことをしでかしてしまったということ。
朝から降り続ける雪は、冷たい空気を放ちながら重く積もっていた。
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