ハルカの唄

1/14
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
 ハルカは世界で一番可愛い女の子だった。  小さな唇は薔薇の花びら。  鼻はツンと上を向いたリスのよう。  大きな目はダイアモンドの輝き。  髪はサラサラでいい匂い。  パパとママはとっても仲良し。パパはドライブが趣味で、ママは料理が大得意。  毎週末は家族で小旅行。  書道のお稽古は三歳から。  グランドピアノは小学二年生の時のプレゼント。  スイミングとバトミントンを小学五年で始め、両方とも小さな大会で優勝した。  たくさん習い事をしているのに成績は優秀で、中学では学年一位を常にキープしている。中間、期末、両方ともずっと、だ。  まさに絵に描いたような幸せな女の子。誰もが羨む完璧な女の子。  ハルカは誰よりも輝いていて、誰よりも優秀だった。なのに、そのことを全く鼻に掛けず、誰にでも優しい。あっという間にクラスの人気者になっていった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!