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僕には守らなければならない場所がある。
それはおばあさんが大切にしていた小さな庭園。
丘の上にポツポツと生えるように建っている住宅街の中に、橙色した三角屋根の一軒家がある。その三角屋根の家の裏側に、おばあさんの庭はあった。僕が来る前からこの家に住んでいたおばあさんが、長い長い時間をかけて、色とりどりの草花を大事に育て、守ってきた庭だ。
養子としておばあさんの家に迎えれられることになった僕は、来て早々に、庭園の手入れをするように言われた。その日から僕は、庭園に咲く全ての花について、毎日おばあさんから教わることになった。
その時僕は、何でこんなことをさせるんだろう? と単純に疑問が浮かんだけれど、この家に来た時点で僕はおばあさんの言う通りに動かなくてはいけないことを理解いしていたから、不思議に思うだけに留め、余計なことは考えずに従った。
おばあさんは随分前に亡くなった。それ以来僕がおばあさんに代わって、この小さな庭園を守り続けている。それは、いつしか僕の小さな誇りになっていった。
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