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計と未来(みく)
峠から下りて行く爆音が遠ざかっていく。
時々ホストクラブ(クィーン)の同期の成司とこうしてツーリングにいったりする。
計はさっきからじっと麓を見てる。
「あれ、計行かねぇの」
「俺ここで抜けるから お前行けよ」
愛車にまたがってタバコを吹かしてた計が面倒くさそうに言った。
そういえば後ろにデカい荷物を積んてる。
「どこ行くんだよ」
「お前には関係ねぇよ、早く行きな 迷子になんぞ」
携帯の吸い殻入れでタバコを消すとキチンと胸のポケットに入れて車をふかす。
「なら、着いてくぞ」
「うっせいな、……未来のとこに行くんだよ」
「別れたんじゃなかったのか」
「俺は離婚届をあいつに投げつけた時点で別れたつもりだったんだけどな」
「くくく…出してなかったんだ」
「あいつの親父がおっ死ぬと聞いて遺産、遺産と急いで籍入れたのに、手術したらケロッとよくなりゆがってありゃ詐欺だぜ、詐欺」
「三杉財閥のお嬢様か…クィーンでの使いぷりも半端じゃなかったもんな」
「よくホストとの結婚許したな」
「親父の方は俺がホストてのは知らないままだな ダチの会社に籍おいて挨拶したからな」
「そのまま婿さんに治まってたらよかったのに」
「馬鹿言え~ 親父の病気のせいもあって、外国に行ってたくそ真面目な兄貴と煩い兄貴が帰ってきやがって、俺は小さくなって暮らすのは真っ平だ だから別れたのに …あのやろう」
「なんで未来ちゃんのとこまで行くんだ」
「あいつがおばさんの家を片付けるのを手伝ってくれたら離婚届を渡すって言ったたんだ」
「へ…それだけ?」
「あぁ、どの位掛かるかわからんが1週間か十日そんなもんじゃね」
「まぁ、ゆっくり休んどけ。俺がその間にクィーンのナンバーワンになってやるよ」
「お前には無理だよナンバーワンは」
「な~に見てろよ」
……お前はやさしいからな…
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