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清廉潔白な人間になりなさい。
そんな願いを込めて付けられた自分の名前が、安達廉太郎は大嫌いだった。なぜなら廉太郎の生き方は名前に縛られている。今だって、余計なことに首を突っ込もうとしている自覚はあった。
けれど見てしまったからには、放っておくことなど出来なかったのだ。
清く正しく美しく。
そんなもの、今どき流行りはしないというのに。
「っあんた、何をしているんだ! この子は未成年じゃないのか⁉」
廉太郎は声を荒らげると同時に走り出し、少年の腕を掴んでいた。ラブホテルのネオンに照らされた制服姿の少年は、驚きに目を見開いている。
背は廉太郎より少し低いが、スポーツでもやっているのか肩幅はしっかりとある。吊り目がちな瞳は猫のように丸く、つるりとした頬にあどけなさが残っていた。
パーマをかけているのか黄色に近い茶髪はふわふわと揺れ、可愛らしいという印象が先立った。しかし刈り上げられた後頭部から見えるうなじは、筋張っていて日に焼けている。しっかりと、男の骨格をしていた。
「な、なんだあんたは」
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