29からの出発

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今日は7月6日、明日は七夕 スーパーの入り口に大きな笹が飾られている 通りすがりに少し短冊に目を向ける 「サッカー選手になりたい」 「受験合格しますように!」 「バパのお嫁さんになりたい」 思わず顔がほころんでしまう 各々の短冊の向こうに書いた人が目に浮かぶ 私の想像にすぎないけど 願い事、夢、願望があるってことは喜ばしいことだ 「ご自由にどうぞ」と書かれ短冊とペンが置かれている 私も書いてみようかなぁ?と荷物を置きかけて私の体は止まった なんで? 私も知りたい いや わかってる 自分の願い事がわからないのだ 思わず自分のいるこの空間だけが特別に感じた 周りは普通に動いているけれど 短冊を書こうてしている私にだけスポットライトが当たり まるで誰かが書くのを待ってるかのように感じた 先生に当てられ 答えられなくてタダ立ち尽くしている生徒のように 何も浮かばないのだ 頭の中は真っ白 えっ うそ 私って! ぼーっとしている私に 店員さんが「良かったらどうぞ」と言ってくれた 私はその声で我に返った 私はとっさに「短冊いただいて帰っても良いですか?」と訪ねた 家に笹があるわけでもないのに このお店の短冊の笹につけるものなのに 何を言ってるんだ 私 「書いてみようかなぁと思ったんだけど 思い浮かばなくて〜恥ずかしい。だけどどうしても書きたくて」 そんな私に店員さんは短冊を3枚封筒に入れて渡してくれました 「じっくり考えて書いて下さいね」と言葉まで添えて 私は深々と頭を下げ もらった封筒を大事に持って帰りました
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