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引退後は、授業が終わったら塾に行ったり塾がない日は補講を受けたりして、いかにも受験生といった生活をしていた。
教室から外を眺めると、ちょうどテニスコートが見える。
みんな、頑張ってるのかな、と想いを馳せたりして。
そんなときでも、やっぱり竹内くんはすぐ発見できた。
キラキラしているから見つけやすい。
教室から誰かを目で追いかけるなんて、まるで漫画の世界だと、笑えてしまう。
風の噂で、例の竹内くんの彼女がテニス部のマネージャーになったと聞いた。
さすが彼女。
献身的なのね。
よくわからないけど、胸がチクリとなるのを感じて私は首を傾げた。
一体どうしたというのか。
塾通いの成果か、はたまた補講の成果か、センター試験も無事クリアし、私はなんとか大学に合格することができた。
高校生活ももう終わりを告げている。
テニス部へは結局、引退してから一度も顔を出さなかった。
気にはなっていたけど、なんとなく彼女の存在が足を遠退かせて変な遠慮をしてしまって、行くことができなかったのだ。
我ながら可笑しいなと思う。
だって、別に私は竹内くんを好きなわけではないし、なんらやましいことはないのだから。
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