145人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
先輩と後輩
男子テニス部のマネージャーを務める私は、今年の新入部員の中でキラキラ輝くめちゃくちゃ爽やかなイケメンを発見してしまった。
甘いマスクに背も高い、そして誰にでも愛想がいいという、まさに愛されキャラ。
うちの学校にもこんなイケメンがいるんだと驚いた。
実は入学当初から、『今年の一年にイケメンがいる』なんて囁かれていたけれど、まさか私がそのイケメンと関わる日がこようとは思っても見なかった。
だって、彼は高校一年生。
私は三年生だから。
よっぽどのことがない限り、他の学年のしかも異性と関わることなどない。
なのに――。
私がマネージャーをしているテニス部に、噂の彼は入部してきたのだ。
イケメンだと騒がれるけど、イケメンというよりは可愛い方が勝っている気がする。
そう思うのは彼が年下だからだろうか。
幼さの残るその顔が、なおさら女子をキャーキャー言わせている気がする。
まったく、罪作りなやつめ。
最初こそミーハーな気持ちで見ていたけれど、そこは部活の先輩と後輩。
マネージャーといえど、威厳は保たせていただきます。
最初のコメントを投稿しよう!