胸の手

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 そこかしこで、色々なお茶を楽しむ姿があった。 「さー、本日は週一のお茶会の日ですが、あくまでブレイコウですから、お楽しみください」  サヤカの母の順子が、一応の挨拶をした。  すると男はサヤカの方に顔を向けて会釈すると、やってきた。  どうやら他のメンバーから、サヤカたちのことを聞いたようだ。  男はミカの前に来ると、にこやかに、 「初めまして、法学部二年のモトヤです。どうぞ宜しく」 「こちらこそ。茶道部といっても部活なんで、ただただ楽しんでもらったらいいですから」 「はい、ありがとうございます」  すると副部長のレイが、 「例えば茶碗をくるりと回すやり方も、慣れない内は両手で静かに回してもいいのです」
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