胸の手

5/9
前へ
/9ページ
次へ
 この日は新月で、特に夜は暗かった。  さらに、この日は土曜日で、レイの誕生日ということもあり、プチ・パーティーのためにサヤカが来ていた。  まずはショートケーキを食べると、缶ビールを飲みながらサヤカが、 「きょうの特別部活の時、モトヤの後ろにいたのはチカコだったでしょう」 「ええ多分。それが何か?」 「あんな時に、オパールをもらったとか言うなんて、ヤバイと思わなかったのかしら‥‥」 「それより、ねぇ、あのモトヤが言ってた、胸の手のコト、気にならない?」 「なることはなるけど‥‥だからって、どうにもならないじゃん」 「今日は新月。彼のマンションの裏から覗いても、見付かりにくいでしょ」 「えっ、マジで?」
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加