胸の手

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「レイちゃん、酔ってる?」 「冗談? マジで考えてるよ」 「今は夜中の十時か‥‥。そんなに言うなら、やる?」 「やろう。すぐやろう」  二人は黒っぽい服を着ると、マンションを出た。  新月の夜ということで、普段よりも暗い感じだった。  二人が目指すモトヤのマンションは、徒歩2分ほどだった。  別のマンションを曲がったところに坂道があり、その途中に在るのがモトヤの住むマンションだ。  二人が、しゃがみながら近付くと、照明で明るいその部屋の中で、彼は上半身ハダカだった。
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