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断末魔の叫びと共に、一瞬にして黒焦げになるレンドウ。
憎しみは黒く燃えて灰となる。
ヴァイスはすでに屍となったリムの元へ行き、彼の側でしゃがみ込む。そして、心の中で何度も謝罪を繰り返していた。
子どもの頃、彼と結んだある約束。
リムは覚えてはいなかったが、ヴァイスの胸の中にはずっとその約束が残っていた。
『将来大人になったら、わるいやつらをやっつけてやるんだ。リムも手伝ってよ』
『ああ、いいよ。俺も一緒にやってやるよ』
『約束だよ。絶対ね』
あのときリムは、嘘をついていたに違いない。ヴァイスは今更ながらにして気づく。
彼は施設に入ったときから、復讐のために生き続けていたのだ。誰とも話さず、孤立していた。それに構うことなく無邪気に話しかけていたヴァイス。
リムが心を開いてくれていたと思っていた。
「ありがとう」
そう一言だけ残し、立ち上がる。
黒くなった屍の中で、真鍮の首輪だけが銀色に輝いている。
それは彼の意志を示すかのように、いつまでも光を放ち続けていた。
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