憎しみは黒く燃えて灰となる

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「……もう、諦めろ。お前じゃ、私には勝てない。正義のために私は戦っているんだ」  立っているのが限界で、俺は膝をつきながら彼を見る。 「はははははは! 見たか! これが燎火隊の力だ!」  レンドウは自分の手柄のように下卑た笑い声を出す。 「……死ねない、こんなところで死ねないんだよ。どけよ……。何が正義だよ。お前が求める正義なんてな、クソみてえなもんだよ。どけ!」  俺はふらつきながらも立ち上がると、腰に刺してあったタガーナイフを取り出し、それを右の腕に合わせた。 「何をする?」 「悪あがきだよ」  ナイフを動かすと、激痛と共に赤い血が流れてくる。 「お前、まさか」 「もう俺には、炎を繰り出す力は残っていない。だから、命を賭ける。俺の血を使って、炎を出す」  血がポタポタと床に落ちる。それが炎の源に変わる。  黒い狼。それが一匹、二匹、三匹……。
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