◆12. 夢の先を【最終話】

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「パパ」部屋を出る前に娘に呼びかけられた。「……鼻毛出てないかちゃんとチェックしてから出なよ。いくらパパがイケメンでも鼻毛出てるパパ見たら百年の恋も幻滅だから」 「――余計なお世話だ!!」わざと、音を立てて部屋を出る――愛心が使い、いまは、娘となった美青の使う部屋の窓辺には、真っ白な、テーブルが置かれている。スウェーデンの家具で、椅子もセットで。せっかくなのでと、奮発して購入した、お気に入りのデザイン。  その白いテーブルには、透明のグラスに風車が飾られている。群青だが一部血を浴びたそれがいつまでも風の中でくるくると揺れていた。  ―完―
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