16人が本棚に入れています
本棚に追加
三十人ほどのクラスで、全員がチャイラを敵に回しているわけではなかった。ほどほどに仲良く接してくれる女の子も存在している。その特徴はわかりやすい。彼女らは皆、極端に勉強ができる。そして目立ったグループに入らない。いや、勉強ができる子たちでぼうとした一つのグループのようなものを形作っているように感じられた。さらに彼女たちは、なぜか皆が髪を長い三つ編みにして一つにまとめている。概ね大人しく物静かだ。クラスの席替えでそのような子の隣に当たると、チャイラは心底ほっとした。だが成績のレベルが違いすぎて、話題があまり合わなかった。
「どうやってテスト勉強してるの?」
いつも百点を決める隣の女子生徒に向かって、授業中に質問する。チャイラには理解のできない答えが返ってきた。
「教科書を丸暗記するだけだよ。簡単」
その後の話題が続かず、チャイラはしょんぼりと短めの羽根ペンをいじった。子ども用の羽根ペンを手の上でクルリと回す技すらも、チャイラにはできなかった。あれは練習が必要なのだそうだ。ただの子どもの遊びですら、チャイラにはハードルの高いものだった。チャイラは文字通り、落ちこぼれだった。
この世のすべては私を拒否しているわけではない。それでも世界は私を嫌っている。
最初のコメントを投稿しよう!