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「よっ、良くないです。あのっ……離れてくだ……やっ、顔が近っ……」 「無理。なぜか止められな……ふぇっ、はっくしょん!」 「何をなさるのです。鼻水がかかってしまったではないですか! 鼻水が垂れていたからお止めしていたのに!」 「す、すまん。たぶん、寒くて抱き合いたかったのかも」 「でしょうね! ほら、湯でお顔を洗って!」 「本当に悪い……あっ! ふぁっ……ぶぇっくしょい! あ、さっきより多く鼻水をかけてしまった。ごめん」 「ふふっ。構いませんよ。とばっちりなら、とっくに慣れておりますからね。報復などしません。決して……ふふっ、ふふふふっ」 「え、怖……鼻水まみれでも綺麗な笑みとか、怖すぎっ」 「なんですって?」 「ひっ……何も言ってましぇん。すみましぇんっ!」
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