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「あぁ、癒されるぅ。日々の疲れが取れるなぁ」
「本当ですねぇ」
「ふあぁ、ぽかぽかしてきたぞ。この、徐々に身体が温まっていく感じも堪らない。それに湯の感触もとても良いなぁ」
——ちゃぷんっ
「ぬるっとしているが、これが良いんだ。おかげで肌が潤ってきてる。ほら、触ってみてくれ。すべすべだろう?」
「あ、本当に。しっとりとしていて、すべすべです」
「そうだろう、そうだろう。良き出湯に来られたものだ」
「はい、まことに良き湯ですね」
「それなら、お前も一緒に入ったらどうだ。先程から私ひとりが湯に浸かっているではないか」
「え? そ、そのような……私はご遠慮申し上げま……」
「遠慮は無用だ。さあ、私の隣に来い。そぉーれっ!」
「きゃあっ!」
——ばっしゃーん!
「ぷはっ! 建様、酷いです!」
「わははっ! これで明親も出湯仲間だ。——おーい、光成! お前も一緒に入ろう。なぜ、そんなに離れた場所で足湯だけやっているのだ? せっかくの出湯がもったいないぞ。こんなに気持ちいいのにー」
……知りません。
「建様、鼻にお湯が入ってしまいましたぁ。ごほほっ!」
「おぉ、それは済まない。しかし、明親も湯で温まって良い気持ちだろう? ——おーい、光成っ。聞こえないのかぁ? お前もこっちに来いよ。一緒にちゃぷちゃぷしよう!」
知りませんよ。やりたければ可愛い従者とやればいい!
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