プロローグ

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『ありがとう』 夏樹はそう言って奈緒から受け取ったタオルで身体に流れる汗を拭う 『夏樹センパイ、あんまり無理しないでくださいね。試合前に怪我したら大変ですからね』 『ああ、大丈夫だよ。って、もうこんな時間か』 夏樹は壁にかかった時計を見た。外はもう完全に日が落ちて真っ暗だった 『悪いな、皆帰ったのにいつもこんな時間まで付き合わせて』 2人きりの部室の中で夏樹は汗まみれのユニフォームから着替え、制服に袖を通しながら奈緒に言う 『いいんですよ、全国大会前で夏樹センパイも気合が入ってますもんね それに私、少しでも長くセンパイと一緒にいたいだけですから』 いたずらぽく笑ながらそう言う奈緒に、夏樹は手を伸ばし奈緒の頭をクシャリと撫でた
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