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月讀と月
月讀兄は風紀委員長で夜と光の司令塔のような存在であり、俺の義従兄弟なんだけど…考えると、まともな人が周りにいない。
考えてみると、少し抜けてる所はあるにしろ、夜は俺達の1つ下なのにしっかりしている。本当に身長を除いたら光と夜どちらが年下か本当に分からない。
やっと集中できる…そう思いパソコンに目を向けようとした瞬間、ふと甘い香りが漂う。まさかと思い休憩室に目を向けると
「………月讀兄…いつからそこに…」
いつの間にか紅茶を飲んでいる月讀兄をみて彼もサボりにサボっていると察する。
…さすが問題児以上に問題を起こす風紀委員
皮肉を混じえながら内心感心する。
「ああ、光が騒ぎ始めた辺りだ。」
「…初めから居たんだ…」
自分が反面教師であるという悪口を言われていたのに、悠々とそれを眺め、それでも尚サボっている図太すぎる神経は、なりたくはないけど正直尊敬する。
「1回対戦してやればいいじゃないか。どうせ風紀も明日は空いている。どうせならあいつらを組ませるのもいいな?」
飄々と笑い乗り気な月讀兄をみていると、段々とどうでも良くなってくる感覚に陥る。
…休みなら夜も強制的に来させられるだろうし、夜も月讀も隣人だしどう足掻いても
「月、私と組もうではないか。」
「……ん、やめて…もう子供じゃない…」
月讀兄は、俺の頭をまるで割れ物を壊さぬよう…いつもとは少し違う声色で優しく俺の頭を撫でる。
昔からこういう所は変わらない
「…はあ…仰せのままに…」
光と同じオレンジ色に色に染まる空。夕暮れ時に奏でられる鐘の音が逃げられないぞと言うように強く音を奏でた。
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