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「傍也、てめぇは俺たちの世界に入ってくんじゃねえ。なんでお前は俺たちが見えるんだよ。なんなんだよ、お前は。何を実行したんだよ」
傍也は私たちと違う世界にいるの? 碧は何を言ってるの? 傍也に何かしたの? もしかして傍也は死んじゃってるの?
その時、碧の顔の横を何かがすごい速さで横切った。
「ニヤタ」
ニヤタは、傍也の隣で碧に向かって牙を剥き、威嚇をしている。
「碧、ニヤタにはちゃんと分かってるんだよ。お前が、自分が大好きな明日香の敵だってな」
「明日香、信じるな。傍也がニヤタに変な薬飲ませたんだ。ニヤタがおかしいのはコイツのせいだ」
「知ってるか、碧。猫ってな、死んだヤツが見えるんだってよ」
「そんなもん迷信だろうが」
「明日香、よく考えろ。最近いつ家に帰った? 今日学校で何を学んだ? なんでお前はいつもこの公園にいる? なんでこの公園にはお前たち以外いない? 明日香、お前はここで死んだんだよ。だから、ここにしか居れないんだよ」
死んだ?
死んだ?
死んだ、そうだ、私、死んだんだ。
私、この公園で死んだんだ。
私、この公園で碧に殺されたんだ。
「傍也————」
「もう明日香を解放してやれ。明日香の魂を解放してやってくれ」
「俺は、俺は」
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