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◆◇◆◇
「大盛りのカレーライスだな」
「いやいや、碧、視力落ちたの?」
「落ちてないよ。三キロ先の明日香のパンチラだって見逃さないよ」
「変態。すいませーん、ここに変態がいまーす」
「ばか、やめろって」
碧が慌てて私の口を塞ごうとする。芝生の上でイチャイチャしてるの楽しいな。こんな時間がずっと続けばいいのにな。碧もそんな風に思ってくれているといいのにな。
本当に小さい頃から一緒だった碧。乱暴者だけれど私には優しいし、これからもずっと一緒にいたい。
「あれ?」
ふと視線を向けた方向には綺麗な毛並みの三毛猫がこっちを向いて座っている。
「ニヤタ?」
最近姿を見なくなっていて、心配していた飼い猫のニヤタにそっくりに見える。と言うより、ニヤタにしか見えない。碧にも確認しようとしたけれど、碧も驚いているようだ。
「ニヤタ」
いつものように名前を呼ぶと、三毛猫はスッと起き上がり、私たちの方に駆け出してきた。
やっぱり、ニヤタだと確信して、私は両手を広げてニヤタを抱きしめようとした。が、私たちの目の前でニヤタはジャンプしたのだ。
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