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デート
迎えたデート当日。朝から秋華の家に行ってメイクをしてもらった。服は体型をカバーできるような大人っぽいゆるふわワンピース。
秋華に「最高にかわいい」ってお墨付きをもらったから大丈夫と思うけど、不安。だって春臣さんはもっと素敵だろうし。
「……あれかな」
待ち合わせの駅で春臣さんらしき人を発見。後ろを刈り上げた茶髪のふんわりパーマに、遠くから見てもハッキリしてる目鼻立ち。
本当にこんなかっこいい人とデートするの?緊張してきた。
「あの、春臣さん」
すれ違いざまに声をかけたけどスルーされた。あれ、もしかして私だって分かってない?もう一度声をかけようとしたら立ち止まって振り返った。
「えっと……風夏、ちゃん?」
あ、本当に分かってなかったみたい。近寄いてきた春臣さんはますますかっこいい。しかもいい匂いがする。
「そうです!すみません服の特徴とか言えばよかったですね」
「ごめん、雰囲気違うから分からなかった」
「そんなに違います?友達にメイクしてもらったんです!」
緊張してるのがばれないように声を張って対応する。だけど、ぐいっと顔を近づけてきたから思わず後ずさり。
「あの……?」
「ん?メイクしたらますますかわいいと思って」
この人、かわいいとかしょっちゅう言ってくるけどどういうつもりなんだろ。褒められてなんだか顔が熱い。だから誤魔化すように笑って距離をとった。
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