デート

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 トイレで心を落ち着かせて戻ってきたら春臣さんはスマホを見ていた。スマホ見る横顔すら綺麗って何なの?  少し離れた位置で突っ立っていると、ハンバーグを乗せた鉄板を2つ持ったウェイトレスの人に追い越された。行先は春臣さんが座っているテーブル。あ、アレ私のハンバーグだ!  小走りでテーブルに戻って紙エプロンを首からかけた。 「よかった、ちょうど来たね」 「はい、タイミング良かったです」  今帰ってきたかのように振る舞って、笑顔でハンバーグと対面する。あぁ、おいしそう。嬉しくてにやにやしながら写真を撮った。 後でインスタに投稿しよっと。 「おいしそうだね」 「ですね!よくこのお店には来るんですか?」 「いや、初めてだよ」 「どうやって見つけたんですか?このお店」 「ここのお店、両親も好きらしくて……」  会話をしながら切り分けたハンバーグを口に入れる。 「ん〜、おいしい!お肉ジューシー!」 あまりの美味しさにたまらず声が出た。はっ、しまった話をさえぎった。 「おいしそうに食べるね、こっちも幸せになる」 「すみませんお話の途中で。 私……お恥ずかしながら食べることが大好きでして」 「恥ずかしいことじゃないと思う。おいしそうに食べてる姿かわいいし」 「か、からかわないでください!」 「だから、からかってないって」  本気だとしたらそれはそれでリアクションに困る。恥ずかしいから食べることに集中することにした。
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