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秋華とふたり、学校から出て雑談しながら目的地に向かう。今日はロールアイスのお店に寄り道して帰る予定。
「で、どうだったのデート」
途中、秋華がニヒルな笑顔で話しかけてきた。こういう話、秋華とするの初めてだ。
「いっぱいかわいいって言ってくれた……」
「ほら私の言った通りじゃん!風夏はかわいいんだから自信持ちな」
自分のことみたいに喜んでくれる秋華。私も嬉しくて笑顔になる。
「ありがとう姐さん……ところで2回目のデートが決まったのでメイク講座開いてくれませんか」
「誰が姐さんよ……え?」
尊敬を込めて姐さんと呼んだら秋華はフリーズした。
「マジ!?2回目のデートも約束してきたの?やるじゃん!」
「うん、春臣くんがお菓子好きなら今度はカフェ巡りでもする?って」
「しかも春臣さんから!?すごいすごい」
秋華は興奮気味に私の手を握ってブンブン振る。
「秋華、痛いよ!」
「ごめん興奮すると馬鹿力発揮するの」
「知ってるけど今のは痛かった……」
「あはは、ごめん」
強い力と遠心力と手が取れそうになった。でも全力で喜んでくれる秋華を見たら怒る気が失せる。
「デートの日程は決まったの?」
「来週の日曜日です」
「オッケー、メイク講座開くからうちに来な」
「姐さん……!」
やっぱり秋華はかっこいい。姉御肌で面倒見もよくて美人で、私にはもったいないくらい良い友達。
ありのままの私を肯定してくれる秋華と一緒にいたら、もしかしたら本当に進展するかもなんて考えちゃう。
でも、あまり期待するのはやめておこう。だって裏切られた時が怖いから。
元カレにフラれた時みたいな、あんなみじめな想いはもうしたくない。
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