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「タダは申し訳ないので何かお礼に作ります」
「じゃあ風夏ちゃんが作ったハンバーグ食べたい」
冷静に努めて会話を続けてたのに新たな問題が発生。手作り料理!?私はクッキーとか簡単なお菓子を想像してたのにいきなりハードル上がったんだけど。
「うーん……煮込みハンバーグならよく作ります」
「へえ、おいしそう」
考えた末に煮込みハンバーグを思いついた。煮込みハンバーグはお父さんも褒めてくれるから大丈夫と思う。
「風夏ちゃん器用なんだね。髪も自分でした?」
「はい、頑張りました!今日はメイクも自分で頑張ったんですけど変じゃないですか?」
「かわいいよ、でも……」
少し険しい顔をして私を見るのをやめた春臣くん。何?そんな顔させるほど不快!?
「この前と雰囲気違うから緊張してる。
風夏ちゃんに慣れるまで時間かかるかもしれないけど許して」
ところが、春臣くんの顔がほんのり赤くなっているのをみて安心した。
つまり、かわいいと思ってくれてるってこと!?やだ、めちゃくちゃ嬉しい!
いつもの調子でポッケに入ってるアメちゃんをあげようと思ったけど、今日は持ってないと気がついてやめた。
「大丈夫です、私も未だに春臣くんには慣れません」
「じゃあお互い様だね」
安心したようにへにゃって笑う春臣くん。何その笑顔、初めて見たんですけど。母性をくすぐられるっていうか、そういう油断しきった笑顔を付き合ってもない女に見せちゃダメだよ。
今日大丈夫かな、私の心臓持つかな……。
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