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「ごちそうさまでしたー!また明日」
「ありがとうございました、また明日ね」
時刻は20時。もう外は真っ暗なのに、喫茶店を出ると生ぬるい空気が漂っている。
しばらく歩いて、近道するために公園に入ったその時だ。
「………はぁぁ」
突然、大きなため息がすぐ近くで聞こえた。びっくりして立ち止まって横を見ると、ベンチに前かがみに座っている男の人がいた。
前かがみの体勢だから顔は見えないけど、どよよんとした負のオーラが背中から立ち上っている。
「……なんでもっと早く……いや、気がついてたとしても……」
男の人は私に気づいていないみたいでぼそぼそ呟いてはうなだれている。
どうしよう、無視するべき?
でもなんか、このまま置いていくのは後味悪いし。私は意を決してその人に向かい合った。
「あの、大丈夫ですか?」
そーっと近づいて声をかけると、彼は驚いて勢いよく顔を上げた。
うっわ、イケメン。ベンチのそばに街灯があるから、その人の顔がよく見えた。
大学生かな。ゆるくパーマのかかった暗めの茶髪に透き通った肌。鼻は高くて目が大きい。何より顔全体のパーツのバランスが完璧だった。
きっと道行く人に聞いたら、10人中10人がかっこいいって答えるくらい。
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