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「あ、えっと……?」
私がどうして話しかけたのか分からないのか、その人は眉毛を八の字にして困惑している。
かわいい、子犬みたい。
落ち着いて私。初対面の人間にそんなこと言ったらドン引きされちゃう。
「すみません。大きなため息が聞こえて話しかけちゃいました。
大丈夫ですか?あ、余計なお世話だったらすみません」
そういうと、彼は私をじーっと見つめてきた。どうしたらいいのかわかんなくてその状態で固まっていると、彼の目がだんだんと赤くなって、そして潤んできた。
嘘、泣きそう!?
「えぇっ、大丈夫ですか!?
私にできることならしますから泣かないでください!」
思わず近寄ってポケットティッシュを差し出すと、彼は私の手首を弱々しく掴んだ。
「じゃあ……話、聞いてくれますか?」
近づいたその人からは少しお酒の匂いがした。なるほど、やけ酒してこんなところで落ち込んでたのね。
なんだかほっとけないし、話ぐらいな聞いてあげようかな。
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