すべては夢のようなもの

夢

　僕たちは夢を見ていた。長い長い夢だ。僕たちというのは、僕と、僕の中にいるもう一人の僕の事だ。人によってはそれは居るとも居ないとも判断できる。
　夢の中で僕たちは、夏になれば少年たちの冒険の物語を観ながらアイスキャンディーを食べ、冬になれば大人たちの戦争の物語を観ながらオレンジ・フレーバーのココアを飲んだ。
　ただ季節が巡り、過ぎていった。僕たちはその季節の巡りに従順に従う。それだけだ。