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Chapter 10 by Taiga
大志が実家に帰ると決めた。正太郎と蘭は付き合い始めた。
七恵さんがいることで雰囲気が変わったかと思っていた仲間関係と大志だが、七恵さんが立ち去ると同時に前へ進み始める3人は年相応の未来を見ているのだろう。
真希を含む道場仲間と4人で昼食を取り、バッティングセンターへ行ってからカラオケに来た時に、瀧口の子の誘いに気づいた。今日はこれで良かったのかもしれない。酒も飲まずに盛り上がっている友人が歌うのを見ながらそう思った。
逃げているわけでも、逃げたいわけでもないけれど、まだ今は…中途半端にしか想いを口に出来なかった自分に対して悶々としている部分がある。
「運気を逃しそうなシケた顔してる。いい男が台無しだよ?」
3人でワイワイ歌い終えて、俺の隣に座った真希が俺の背中を叩く。
「大河、どれにする?‘猫’‘ドライフラワー’‘Pretender’…Pretenderだね」
「…明らかに失恋ソングばかりだな」
「‘女々しくて’でもいいよ?」
「大河のPretenderから全員で女々しくて、で」
友人の一言で俺もマイクを握った。
………好きだ、とか無責任に言えたらいいな
そう願っても虚しいのさ グッバイ………
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