旭に伴す

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「この頃日本国にその名を轟かせ(たも)うた木曾(きそ)義仲(よしなか)殿、我が討ち(たてまつ)ったぞ!」  戦場(いくさば)に敵将の声が響いた。  今井(いまい)四郎(しろう)兼平(かねひら)は天を仰ぎ見た。  主であり、(とも)であり、兄弟である人が散った。  迷いなく、四郎は手にしていた刀の刃を口に(くわ)える。  さあ、我が君との約束を果たそうか。 *
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