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 相川の、やたらとツヤツヤしているライトブラウンの髪が、私の目の前にある。  ちょっと違和感にすら思えるくらい、ツヤツヤと光を反射している。きっと、ヘアワックスかなにかを付けているのだろう。頭の形は完璧な丸で、若干、小さめに感じる。両耳に光る、金の環のピアスは、うーん、どうなんだろう。かっこいいような。似合ってる、のだろうか?男子のおしゃれは、よく知らない。  相川は今、私の前の席に座り、こちらに向き合っている。そして、私の机で数学の宿題を書き写している。私のノートから、自分のノートへと。それも、すごく真剣な顔つきで。  前回の、授業の流れから推測すると、今日の授業で相川は先生に指されて、宿題の答えを発表させられる可能性が、極めて高い。でも、それなら尚更、自分でやってくれば良かったのに。  「相川は数学、別に苦手じゃないのに。何でやってこなかった訳?」  「……」  応答なし。シャカシャカ、シャカシャカ……、とシャーペンを機械的に動かす音が目立つ。  無視かよ。  私は目の前の図々しい奴に呆れて、軽く天を仰いだ。
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