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 待ち合わせ場所は、駅の横にある広場になった。うちのマンションから、十分とかからない距離だ。  私は一旦、家に帰り、荷物を置いてきた。ついでに髪の毛を梳かし、リップクリームを塗る。  丈の短いTシャツと、デニムスカートという格好は、私の夏の、定番コーデだ。迷ったけど時間もないので、この服のまま行くことにした。  相川に会うために、気合いを入れておしゃれをしたら、好きなのがバレバレになる。だけど靴だけは、擦りきれたサンダルから、今年の春に買ってもらったソールの厚いスニーカーに履き替えた。  葉桜が生い茂る広場には、小さな噴水やベンチがあって、軽く休んだり、話をしたりするのに良い場所だ。今夜はお祭りに人が流れているせいか、普段より歩いている人もまばらだ。  相川は、まだ来ていない。  私は噴水近くのベンチに、座面を軽く払ってから座った。長くは居られない。共働きの両親より先に、家に帰らないと。あんまり遅くなったら、絶対にお母さんに叱られる。  ふと、視界が陰った。  顔を上げると、いつの間に現れたのだろう、目の前に相川が居た。  ツヤツヤとした明るい髪、つり目気味の整った顔立ち。少し筋肉がついたようで、シャツから覗く二の腕に、うっすらと筋が浮き出ている。耳には、黒い三連のピアスが刺さっていた。  私服姿のせいなのか、相川からどことなく大人っぽい雰囲気がしている。ベージュ色の開襟シャツに、ジーンズというシンプルな恰好が、素敵だ。  
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