LaCKiNG

　二一二四年九月六日午前十時二十四分、空から無数のアンドロイドが落ちてきた。人々が休日を満喫している、ありふれた土曜日の出来事だった。

　肌の質感やなめらかな関節の動きは人間のようだが、ロブソン社のロゴの入った白いシャツと黒いスラックス、そして、正常に動作している証である首元の緑色のライトが、彼らがアンドロイドであることを示していた。

　彼らは躊躇うことなく高層ビルの屋上から一斉に一歩を踏み出し、高速で垂直に落下する。重力に身を任せる黒い影は、ひとつの大きな生き物のようであった。

　巨大なアンドロイドの塊は、そのまま地面に衝突する。その光景を目の当たりにした人々は息を止めた。重い金属音は空気を激しく揺らし、鼓膜を狂わせる。地面の金属片は、かつて人型をしていたことさえ分からないほど細かく散っていた。