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終
朝五時に目が覚めた。
布団を立ってカーテンを開けると、薄い日光がそれでも寝起きの目に眩しい。
オーロラの地に置き去りにされ、ほうほうの体でどうにか帰国した。誇張抜きで何度か死にかけた。
これまで経験したことのない長旅を終え、疲れ果てた身体と精神を養生させること一週間。ようやく調子が戻ってきた。
ベランダへ出て、抜けるような青空を見上げながら腕を伸ばして大きく背伸び。
十分に伸び終えて、ふうと息をつく。いい天気だ、たまっている洗濯物を処理しよう。
回れ右して部屋へ戻ろうとしたときだった。
何かが落ちてきた。逆光に黒くなりながら空中をひらひらと揺れ動き、それは目の前にぱさりと落ちた。
その正体は、ひと目見てすぐにわかった。
反射的に拾い上げ、外へ投げ捨てようとしたが遅かった。手の中でパンツが光り輝いた。
「お久しぶりです! そしてお喜びを! あなたは再び選ばれたのです!」
「お引き取り願いますううぅぅう!」
近所迷惑な叫び声が、朝の空気にこだました。
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