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「私は……将暉が一連の事件にどのような形でからんでいたかが知りたいの」
「からんでなどいない。俺は無関係だ」
「そうかしら?」
果里奈は目を半眼にする。
「六年前に日奈子が篠原琴乃を殺害した事実を、あなたが今年になるまで知らなかったとはとても思えないわ」
「知らなかった。本当だ」
「日奈子と篠原琴乃は子供の頃からの知り合いだった。そして篠原琴乃は、ホストであるあなたの客でもあった」
「それがどうした?」
「これが単なる偶然とは、私にはとても思えないのよ」
「ただの偶然だよ」
「三人はもともと繋がりがあったんじゃない? 勝沼時代から知り合いだったのよ。遠山大吉の殺害に関しても、三人で共謀している絵が私には見えるの」
「出たな、空想少女」
将暉は片頬をあげ、あざけるようにいった。
「私はね、将暉」
果里奈はゆっくりと話す。
「遠山ワイナリーを事実上の解体に追い込んで……遠山家からすべてを奪いとった現在のあなたの姿を見ていて、ひとつの仮説を立ててみたの」
「どんな仮説だよ」
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