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「今回の一連の殺人事件は、今から八年前……将暉が二十一歳の時に受けた、屈辱と裏切りに対する、壮大な復讐劇だったのではないか――。
若き日の夢と希望を打ち砕かれたあなたは、日奈子と遠山家に対して、人生をかけてリベンジを果たしたのよ」
将暉は声をあげて笑った。
「さすが空想少女だ。突拍子もないことを思いつくんだな。どっかの小説にそんなストーリーがあったよ」
「これは小説なんかじゃない。映画やテレビドラマでもないわ。現実に起きた、身の毛もよだつ、サイコパスによる復讐殺人よ」
「面白い。詳しく聞かせてもらおうじゃないか。俺がいったい、誰を殺したっていうんだ」
挑発するようにいう。
顔は穏やかに微笑している。
余裕すら感じさせる。
「笑っていられるのも今のうちよ」
果里奈は睨みつけるようにいうと、おもむろに語り始めた――。
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