シロ

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自分のタイミングの悪さを呪った。 こんなひどい雨の中で倒れた人を放っておけるほど俺は悪い奴じゃない。 もし放置して死なれたら後味悪いどころの話しじゃない。 俺は倒れている男の元に駆け寄り、声をかける。 応答はないが呼吸はしていた。 俺は傘を畳み大粒の雨に打たれながら弱っている男をおぶった。 ぐっしょりと濡れた男の服が俺の背中を冷やしていく。 ゴミ袋をその場に放置し、俺は自分の部屋まで急いだ。 まさか見知らぬ男を助ける羽目になるなんて。 服や髪から滴り落ちる雫は冷たいのに、男の体は熱い気がした。 男の割に軽くて運ぶのが楽だった。 オートロックの蓋を上にスライドし、暗証番号を4桁押すと鍵が乾いた音をたてて空いた。 幸い一階に住んでいたので体力をそこまで使わずに済んだ。 そしてまた問題発生。 このびしょ濡れの男をリビングにどう運べばいいのか考えた。 このまま廊下を歩きリビングに連れて行ったら間違いなく廊下が濡れてリビングも汚れる。 それだけは避けたい。 とりあえず男をゆっくりと降ろし、廊下に座らせた。 廊下が濡れて汚れるのは嫌だが、仕方ないので諦めた。 フローリングだし、拭けば何とかなる。
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