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「ドライヤー使いたいけど、体が辛いんだ。話すのと着替えるのが限界」
うわぁ。めんどくせぇ。それくらい頑張ってくれよ。
その髪の毛のまま寝かせたくないんだけど。
て言うか病院連れてった方がいいよな。何でそれに気づかなかったんだよ俺。馬鹿。
救急車を呼ばず部屋に連れてきてしまった事を後悔した。
急な事で頭が回っていなかった。
「救急車呼びましょうか。病院で診てもらった方がいいですよ」
そう言ってスウェットのポケットからスマホを取り出した瞬間、男に手首を掴まれた。
手首を掴む男の手が熱い。
「病院行かない。お金ないし病院嫌」
「嫌って言われても困っ…」
「お願い。ここにいさせて」
異常な程病院を嫌がる男のべっこう飴みたいな目に俺が映っていた。そこに映る俺は眉を八の字に垂らして困った顔をしている。
断れない性格の自分がつくづく嫌になる。
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