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溜め息をつき、男の濡れた衣類を抱えて立ち上がる。
不安そうに見上げる男の顔にどうしてか懐かしさを覚えた。
べっこう飴の様な目に色白の肌。
少し吊っている目尻。
頭の中でにゃーと言う可愛らしい声が響いた。
ああ、シロだ。こいつシロに似てる。
昔飼っていた白猫を彷彿とさせた。
この男はシロに似ているんだ。
だから本能的にムカついても放っておけないのかもしれない。
俺はシロが可愛くて仕方なかった。
可愛くて可愛くて。だから死んでしまった時は大泣きした。
二年前の話だ。
シロに似ていると気づいてしまい、さらに俺は追い出せなくなった。
シロよりは可愛くないけど、でもシロに似てるから責任を放棄できない。
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