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シロの目もべっこう飴に似ていた。
「わかりました。病院には連れて行かないので安心してください」
俺の言葉に安心したのか、吊っている目が少し垂れた。
男は2回ほど咳をし、ゆっくりと目を閉じた。
そして「ありがとう」と俺にお礼を述べた。
俺は濡れた男の衣類を洗濯機に放り込み、スタートボタンを押した。
回り始めた洗濯機の中で男の衣類が泡に包まれる。
とりあえず介抱すると決めたので、俺はグッタリしている男を抱えて洗面所へと運んだ。
男をお姫様抱っこしたのは初めてだったが、こいつが軽すぎる為女を抱えている様だった。
「ドライヤーしますね。煩いけど我慢してくださいね」
そう忠告し、俺は男を床に座らせドライヤーの電源をオンにした。
熱風と騒音に濡れた髪が靡く。
隣では洗濯機が男の衣類を洗濯している。
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