五年間の計画実行宣言

開幕

「なんか、無くね？ゴミも落ちてねぇよ」

昨日の教訓を生かしてパーカーを着てきたのに、寒気がする。風のせいではない。

私の五年間の計画が崩れる音がした。すごく汚い海水浴場だとは思っていなかったけど、すごく綺麗な海水浴場だとも思っていなかった。

「回収された可能性あるよな」
「そうかもだね。そもそも流れ着いていたのかも微妙な説ある？」

　とても可愛くない言葉しか出ない。流れ着かないことを想定していたけれど、すぐに瓶が回収されることも想定していなかった。成功する未来しか見えていなかった私の脳内は随分なお花畑だということが証明されてしまったこの瞬間。