皇女凱旋

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「よ、よろしくお願いします! り、リアスと言います! えっと、き、騎士です……ひめさまの!」  すっかり上がってしまっている私は、無様な自己紹介をかましてしまう。あまりにたじたじな挨拶を受けて、アロセリアの視線は一層厳しくなった。 「こちらがシルフィリディア様の……?」 「なるほど、そうですか。であれば、よろしくお願いしますよ。シルフィ様の護衛は骨が折れますからな」  一方、気さくなドワーフの方は、面白そうにニヤつきながら、無骨で大きな手を差し出してくる。 「私はラゴン・スラグルム。アレキウス国王陛下に仕える忠実なる剣。この国においては「アメジストの騎士」などと呼ばれたりもします」 「は、はい! お願いします!」  「アメジストの騎士」。どうやら間違いないらしい。この軽薄な笑みを浮かべたドワーフの男は、大陸にその異名を轟かせる剣士のようだ。超大国メルキセドが誇る「三将」の内の一人であろう。  となると、やはりこっちも……。 「ふむ、そうか。ご苦労だったな、騎士よ。私はアロセリア・リッツォーノ。この男と同様、国王陛下の直属に置かれる騎士だ。戦場においては「ダイヤモンドの騎士」と名乗ることにしている」 「り、リッツォーノ!?」  彼女の名乗りを受けた途端、私は素っ頓狂な声をあげてしまう。なんだかさっきから失敗続きな気がしないでもないが、むしろここで飛び上がってしまわなかっただけ自分を褒めてやりたいところだ。
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